その他

◆シナリオ背景◆ 

 

事の始まりは、江戸時代にまで遡ります。

当時からここは小さく貧しく閉鎖的な田舎の村でした。 

 

さて、あるとき、飢饉に瀕したこの村の海岸に、異国の小さな船と女が流れ着きました。

村の者たちは船に残されていた金目のものを奪いつくし、飢えからか、女の肉を食らいました。 

 

「むかし、すだま村が飢饉に瀕したときのこと。

海からうつくしい人魚の女が流れ着いた。

ある村人が彼女を助け家に連れて帰った。

彼は人魚をもてなそうとしたが、出せる食事がない 

痩せこけた村人たちを哀れに思った人魚は、助けてくれた礼にと多量の金貨と己の肉を分け与えた。

これにより村は助かり、村人たちは彼女の骨を祀りここに社を建てた」 

 

神社の掲示板に書かれていたこれは、過去の村人たちが自分たちの都合の良いように書き換えた"えびす様"のことです。 

 

それ以来この村では、村の外から来た人間を男であればそのまま殺して喰らい、金品を奪い。

女であれば子を2人孕ませた後に喰らう。

人肉食と強奪の習慣ができました。 

 

子が2人である理由は、長子は村人同士での婚姻が多く濃くなりがちな血を薄める役割を。

2人目は不作の際に生贄として捧げられる役割を与えていたからです。 

 

この習慣により、すだま村を訪れた人が神隠しに遭うという噂が流れ始めました………実際には村ぐるみの殺害と隠蔽が行われていたわけですが。

そうして殺されつづけた人々の骨が、地下に乱雑に積まれていたもの、というわけです。 

 

特に孕まされ全てを知ってから殺された女性たちの恨みはとても強く、供養もされず放置されていたがために、悪霊と化しておりました。 

 

さて、あるとき、村の外から来た巫女の女がおりました。

彼女は村長の息子、すなわち七辻家の跡取りと結婚し、子を2人授かり。

そうして2人目を産んでから2年が経過した頃。

この村の真実と、自分が夫に騙されていたことを知りました。  

 

村人に追われ、長子は夫に毒されていたため下の子だけでも助けたかったけれど、子を背負って逃げるだけの力はなく。

殺されかけ、逃げて、逃げて。

そうしてえびす様の神社へと辿り着きました。 

 

逃げ切れず自分が死ぬことを悟った彼女は、この村を呪い。

そして、"お客さん"が生まれました。 

 

"お客さん"とは、「最初に殺され祀られたえびす様」「その後に殺された大勢の人間の怨念」「最後に死んだ巫女の力を持った女性」の3つが集まりできた祟り神です。 

 

祟り神であるお客さんはすだま村の人間を襲い、喰らい、殺し続けました。

村人たちは様々手立てを考えましたが積もり積もった呪いに、どうにもできず。 

 

15年が経った頃。

「生贄を捧げてお客さんを封印しよう」という話がもちあがりました。 

 

そして行われた封印の儀。

最初は上手くいったかのように思えました。 

 

けれど、……使われた生贄が、お客さんの。

彼女の、助けたかったはずの息子だったので。 

 

お客さんは発狂し、封印される直前に村人の魂を全て異界へ連れ去り、結果すだま村の住人は誰もいなくなってしまいました。 

 

発狂したお客さんは今までは村人しか呪っていなかったのが、この世の全てを呪うようになり。

廃村と化したこの村を訪れご神体に触れたものを、異界へ引きずり込み。

 

神隠しが多発するようになったのです。

 

◆エンディングに関して◆  

 

海淵のエンディングはざっくり3パターン。

それぞれのエンディングへ行き着く条件は元々決まっており、今回はEND:Aに辿り着きました。 

 

◇END:A◇

「おかえりなさい、またいつか」

エンディング条件

・全木箱(骨)の回収

・木箱(骨)の蟲の浄化

・地下の骨の供養

・お客さんへ朽木の骨の返還  

 

ベストエンドです。 

Aルートの場合のみ、

・肉体ロスト者の遺体返還

・魂ロスト者(精神値0)の生還

・肉体ロスト者の転生

が可能となっていました。  

 

◇END:B◇

「あの夏へ置き去りに、」

エンディング条件

・全木箱(骨)の回収

・木箱(骨)の蟲の浄化

・祠の蟲の浄化

・全木箱(骨)を用いて封印の儀を実行  

 

グッドエンドです。

Bルートでは、

・肉体ロスト者の遺体は還らない

・魂ロスト者(精神値0)は抜け殻状態のまま

・ロスト者の魂は異界にて彷徨いつづける

という結果になっておりました。  

 

◇END:C◇

「かえれない」

エンディング条件

・A、Bルートの条件未達成

・タイムオーバーによりお客さんの完全解放  

 

バッドエンドです。

Cルートでは

・時間経過によりお客さんが完全解放

・全参加者がロスト

・異界の住人として村を彷徨いつづける

という結果になっておりました。  

 

尚、海淵本編は最大2ヶ月を予定しておりました。 

NPCである朽木に関しては少々事情が異なり、1ヶ月半経過(6週目末)に魂が完全消滅。

 

二か月経たずバッドエンドになる前にEND:Aへ行けたとしても、時間経過で自動的に転生はなしとなっていました。 

 

◆ロストに関して◆ 

 

・体力値が0になった場合

確定でロストします。

どのルートでも生還はできません。 

 

・精神値が0になった場合

魂のみロストし、体は残ります。

残った体の飢餓と体力は削れ続けます。

 

Aルートにて本編終了時に体がまだ生きていれば生還できます。

 

◆その他◆ 

 

・異界で手に入れたものはどうなったか?

→拾った鱗など、異界産のものは消滅します。

 

こちらの世界にも存在している朽木のリボンや半紙や藁などの実用品は残ります。